中島洋診療所

中島洋診療所  内科 リウマチ 膠原病科

〒502-0909 岐阜県岐阜市白菊町2-39
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お知らせ

関節リウマチの治療

-抗リウマチ薬-

・まず抗リウマチ薬を使用します。抗リウマチ薬とは関節リウマチの炎症を抑える薬剤の総称で、関節リウマチ発症早期から積極的に使用します。
・主な抗リウマチ薬としてMTX製剤(リウマトレックス、メトトレキサート、メトレート)、アザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン)、リマチル(ブシラミン)、ケアラム・コルベット、プログラフ(タクロリムス)の5剤があります(カッコ内はジェネリック医薬品)。
・なかでもMTX製剤は抗リウマチ薬の中心的な薬剤で、最も多く使用されます。MTX製剤の治療効果は他の抗リウマチ薬に比較して速やかで、しかもその後長期にわたり効果が持続します。MTX製剤は毎日服用する薬剤ではなく、通常1週間に3錠から服用を開始します(2日間で朝-夕-朝の3回に分けて服用)。効果が不十分であれば徐々に増量し、必要であれば1週間に8錠まで増量します。
・MTX製剤の副作用について; MTXは胃の不快感や口内炎を誘発、肝臓の機能を悪くすることがありますが、フォリアミン(葉酸)というお薬を週に1錠服用することで予防することができます。腎臓の機能が悪いと白血球数が減少して感染症が生じ易くなるので注意が必要です。また、薬剤性の肺炎、扁桃腺や皮下等のリンパ節の腫れ(MTX関連リンパ増殖性疾患)が散見されますが、MTXの服用中止でほとんどが改善します(薬剤性の肺炎ではステロイド剤を一時的に使用)。
・MTX製剤に限らず、全ての薬剤には何らかの副作用を生じる可能性が少なからずあります。何か気になる症状があれば主治医に報告し、定期的な診察、採血等のチェックを受け、安全に薬剤を服用することが大切です。
・抗リウマチ薬は次に述べる生物学的製剤と比較すると安価で、3割負担・4週分の薬剤費は数千円、ジェネリック医薬品であれば更に安価となります。プログラフのみ最大量の3mgで1.7万円と高価ですがジェネリック医薬品なら8千円、通常は半量から使用します。
・2012年に権威のある医学雑誌に“生物学的製剤の高価な薬剤費を考慮すれば、多くの関節リウマチ患者では従来型の抗リウマチ薬併用療法が適切である”と結論付けた報告が掲載されました。MTX製剤のみでは効果が不十分な場合、アザルフィジンEN、リマチルなどを併用することによって安価で有効な治療が期待できます。

-生物学的製剤-

・抗リウマチ薬を服用しても効果が乏しい患者さんが一部にみられ、その場合は生物学的製剤の使用を検討します。

・生物学的製剤にはレミケード、インフリキシマブBS(レミケードのジェネリック医薬品に相当)、エンブレル、エタネルセプトBS(エンブレルのジェネリック医薬品に相当)、ヒュミラ、シンポニー、シムジア、アクテムラ、ケプラザ、オレンシアの10種類があります。服用薬ではなく、製剤により点滴や皮下注射で投与します。

・投与後12週間で関節の腫れや痛みの改善がみられますが、生物学的製剤のみでは効果が不十分な場合もあり、通常MTX製剤を併用しながら生物学的製剤を使用します。

・生物学的製剤の副作用として結核、細菌性肺炎などの感染症に注意が必要です。B型肝炎ウイルスを持っている患者さんには投与できません(C型肝炎ウイルスの場合は慎重投与)。

・生物学的製剤は高価で3割負担・4週分の薬剤費は2.43.7万円の負担になります。レミケードとエンブレルのジェネリック医薬品に相当するインフリキシマブBS、エタネルセプトBSが発売されましたが、それでも1.72.2万円です。経済的負担が大きいため、関節症状が良くなった状態が続けば投与間隔を延長したり、生物学的製剤の中止を検討します。
 

 -分子標的治療薬-
・新しい作用機序の薬剤(分子標的治療薬)としてゼルヤンツ、オルミエントが発売されました。服用薬で生物学的製剤と同等の効果が期待できますが、生物学的製剤同様に感染症(特に帯状疱疹)に注意が必要です。また3割負担・4週分の薬剤費が4.4万円と高価であり、服用にあたって充分な説明を受ける必要があります。

-痛み止め、ステロイド剤-
・痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)の薬剤にはロキソニン、ボルタレン、ハイペン、モービック、セレコックスなど多数ありますが、痛み止めは関節の破壊を抑えることはできず、また、胃潰瘍、腎機能障害などの副作用に注意が必要です。抗リウマチ薬や生物学製剤の使用で関節症状が改善したら中止します。・ステロイド剤はプレドニンが一般的に使用されます。効果が速く、確実に期待できるので、関節の腫れや痛みが強い場合に用います。副作用に脂肪が付きやすくなる、高血糖、高脂血症、骨粗鬆症などがありますが、関節リウマチで使用する場合は少量で(プレドニン5mg錠で12錠)、副作用を過大に心配する必要はありません。痛み止めと同様に、抗リウマチ薬や生物学製剤の使用で関節症状が改善したら減量・中止します。

 関節リウマチの症状は軽度から重度まで、また、間質性肺炎の合併症があったり、ある薬剤で副作用がみられたり、患者さんごとに治療薬の種類や容量が異なったりします。適切な治療で関節の痛みや腫れを改善させ、治療を継続することが大切です。