中島洋診療所

中島洋診療所  内科 リウマチ 膠原病科

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お知らせ

関節リウマチの治療

-MTX製剤(リウマトレックス、メトトレキサート、メトレート)を充分量服用する-

・まず抗リウマチ薬を使用します。抗リウマチ薬とは関節リウマチの炎症を抑える薬剤の総称で、関節リウマチ発症早期から積極的に抗リウマチ薬を使用するよう推奨されています。

・抗リウマチ薬は多数ありますが、MTX製剤(リウマトレックス、メトトレキサート、メトレート)、アザルフィジンEN、リマチル、プログラフの4剤は効果が期待できよく使用されます。また、新たな抗リウマチ薬としてコルベット/ケアラムが加わりました。

・なかでもMTX製剤は抗リウマチ薬の中心で、その治療効果は他の抗リウマチ薬に比較して速やかで、しかもその後長期にわたり効果が持続します。長らくMTX製剤の服用量は1週間に4カプセルまでと制限されていましたが、2011年の2月から1週間に8カプセルまでの増量が認可されました。4カプセルでは効果が不充分な場合もあり、その場合、服用量を増やすことによって更なる効果が期待できます。MTX製剤は強いお薬で副作用が心配という声をしばしば耳にしますが、定期的な診察、採血などで副作用をチェックしていれば安全に服用できます。MTX製剤は肝臓の機能を悪くしたり、口内炎を誘発することがありますが、フォリアミンというお薬を週に1錠服用することで予防できます。注意する点として、腎臓の機能が悪いと白血球数が減少して感染症が生じ易くなること、まれですが薬剤性の肺炎を起こす場合などかあります。

・抗リウマチ薬は次に述べる生物学的製剤と比較すると安価で、MTX製剤の先発品であるリウマトレックス最大量の8カプセルで3割負担・4週分のお薬代は3,000円弱(ジェネリック医薬品のメトトレキサート、メトレートで2,000円弱)、アザルフィジンEN、リマチルは通常の使用量で1,200円弱(ジェネリック医薬品で600円弱)、コルベット/ケアラムは約2,500円です。プログラフは最大量の3カプセルで約2万円(ジェネリック医薬品で約1.5万)と高価ですが、少量で使用する場合が多いです。

・生物学的製剤は高額な薬剤費のため経済的負担が大きく、使用・継続できない例が多々あります。2012年に権威のある医学雑誌に“生物学的製剤の高価な薬剤費を考慮すれば、多くの関節リウマチ患者では従来型の抗リウマチ薬併用療法が適切である”と結論付けた報告が掲載されました。つまり、生物学的製剤を使用しなくてもMTX製剤単独、MTX製剤だけでは効果不十分な場合にはアザルフィジンEN、リマチル、コルベット/ケアラムなどを併用することによって、安価で有効な治療が期待できます。

・抗リウマチ薬で関節症状が軽快すれば、関節の破壊・変形の進行はほぼ予防でき、生物学的製剤は必要ありません。

 

-生物学的製剤の使用-

・抗リウマチ薬を服用しても効果が乏しい患者さんが一部にみられ、このような場合に生物学的製剤の使用を検討します。

・生物学的製剤には現在レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア、アクテムラ、オレンシアの7種類があります。服用薬ではなく、製剤により点滴や皮下注射で投与します。

・通常、開始して1~2週間で関節の腫れや痛みの改善がみられます。また、長期に使用すれば関節破壊の進行も止めることが分かってきました。通常、MTX製剤服用のもと生物学的製剤を追加しますが、MTX製剤を服用することで生物学的製剤の更なる効果が期待できます。

・生物学的製剤の副作用として結核、細菌性肺炎などの感染症に注意が必要です。B型肝炎ウイルスを持っている患者さんには投与できません(C型肝炎ウイルスの場合は慎重投与)。

・生物学的製剤は高価で、3割負担で月に2.3~4.3万円の薬剤費が加わります。経済的負担から、いつまで生物学的製剤を継続するのかよく相談を受けますが、関節症状が良くなった状態が続けば投与間隔を延長したり、また、最近では生物学的製剤を中止できる可能性についても検討がなされています。

関節リウマチの症状は軽度から重度まで、また、間質性肺炎の合併症があったり、お薬の副作用がみられたり人様々です。よって、患者さんごとに治療薬の容量や種類が異なったりします。適切な治療で関節の痛みや腫れを改善させ、治療を継続することが大切です。ご心配なことはリウマチ専門医にお尋ねください。